▼チョコの原料は…
チョコはカカオ豆から作られる。カカオ豆を炒って粉にしたものがココア。それに砂糖と牛乳と…
アフリカの子どもたちの汗と血と涙が入っている。
西アフリカのコートジボアールは世界一のカカオ産出国。この国の60万ヶ所 ものプランテーション(農園)から世界の43%のココアが生産されている。
奴隷だなんて、昔のことなんじゃないの? と思うかもしれない。
けれど実の ところ、経済が国際化するにつれて、状況はひどくなってきているという。
UNICEFやアメリカ国務省の報告によると、現在ココアのプランテーションで「奴隷」として働く子どもの数は、15,000人いるという。
隣りの最貧国マリから、たくさんの少年が売られてくるか、一年に$150(約2万円)稼げて自転車ももらえる、という話にだまされて連れて来られる。
12歳から16歳が中心だが、最少では9歳の子どももいる。
彼らは貧しい両 親を助けるために出稼ぎをする。親が子どもを売ることも珍しくない。
だが、悪いことをしているという意識は薄いという。貧しいがゆえに、仕方がないと考えているのだろう。
実際にインタビューされた少年たちの話によると、殴られることは「生活の一部」だという。
豆を詰めた袋はときに少年たちの背丈より高くなる。他の2人が手伝って、袋を頭の上に乗せてやる。急がないとぶたれる。誰も助けてはく れない。歩き出すまでぶたれるだけ。殴られて死ぬこともある。
日の出(この時期午前6時ころ)とともに働きはじめ、日暮れ(この時期午後 6時ころ)まで働く。夜は6m×7mの部屋に数人ずつ板張りの床に寝る。外からはカギを閉められ、排便はカンの中にしなければならない。
自転車の誘惑にのってやって来たアルイー君は「いつも両親のいる国へ帰りたいと思っている」と言うものの、逃げ出すことは考えたことないという。
「他の子どもが逃げ出して失敗して、ひどくぶたれていたのを見たことがあるから…」
▼チョコを知らない子どもたち
こうして採集されたカカオ豆は、少年たちの知らない他の地でチョコになる。
世界のあちこちを輸送されているうちに、「普通」に作られたココアと混じり、日本やギラデリチョコレートで有名なここサンフランシスコの人々がチョコを 買ったときには、アフリカの子どもたちが採ったカカオがどれほど含まれているかはわからなっている。
アルイー君は「チョコレートって何か知らない」と話す。
不幸な子どもたちの手で作られたココアは、裕福な国のより幸福な子どもたちによって消費される。カカオを収穫した彼らはチョコが何かを知らないが、先進国の子どもたちは(多くの大人も)、同じ年代の子どもたちが苦労して自分たちの食べるチョコの原料を作っていることを知らない。
現在、世界のココアのほぼ100%は発展途上国から輸出されている。しかし、それを消費するのは圧倒的に(7割以上)先進国の人々だ。世界最大のココア 消費国はアメリカ。日本も7番目。近年のホットココアブームによって、日本のココア消費もますます増える傾向にある。 http://www.fao.org/waicent/faoinfo/economic/ESC/esce/
escr/cocoa/pdf/coctabse.pdf
2002/02/20
▼チョコレート産業の言い分は
当初、チョコレート産業は奴隷に関して一切知らないとしらを切っていた。
だが奴隷使用の証拠を示したさまざまなレポートが出てくると、ひとまずそれを認めたものの、責任は自分たちにないと言った。「チョコレート会社や小売店はカカオ農園を所有しているわけではなく、そこから買っているだけ」という理屈だった。
奇遇にもそのころ、アメリカ下院議員のエリオット・エンゲルは、カカオ農園の子ども奴隷を撲滅しようと、$250,000(約3325万円)を予算に、「NO CHILD SLAVE LABOR(子ども奴隷無使用)」というラベルを、ココアとチョコレート製品に貼る認証システムを作ろうと法案を作成していたところだった。
この法案が去年の7月に下院を通過すると、チョコレート産業はあせり、上院でこの法案が通らないようにロビー活動を行った。今度の理屈は「コートジボアールには60万もの農園があり、ある所は奴隷を使い、ある所は使わずカカオを収穫する。それがごっちゃまぜになって製品になるのだから、コートジボアールから来るすべてのココアを奴隷使用として対処することはできない」と言い張った。
さらにラベルを貼ることで商品のボイコットが起きれば、合法に働いている労働者が職を失うことなりかねない、とラベル政策に反対した。
▼世界レベルでの取り組みが始まった
しかし、このようなラベル認証システムは、途上国のコーヒーや茶の農園などで同じように貧困に苦しむ労働者の生活を改善しようと、既に導入され、成功している。世界的に有名なコーヒーショップ、スターバックスも、NGO団体の圧力を受け、昨年から奴隷労働者を使っていない「フェァトレードコーヒー」を販売している。(日本ではどうか知らないので、ご存知の方教えてください)
結局、上院議員のトム・ハーキンがこうした前例を報告したことで、チョコレート産業はコートジボアールの子ども奴隷一掃計画に協力することを決めた。
この計画は前述の2人の議員の名前から「ハーキン・エンゲル・プロトコル」と呼ばれ、9月に国際労働機関(ILO)、Chocolate
Manufactueres Association、World Cocoa
Foundation、チョコ製造会社、および、子ども奴隷に取り組むNGOなどが署名する大規模なものだ。
まず今年5月までにカカオ農園を監視するシステムを作る。次に労働環境改善、最低賃金など「子ども奴隷無使用」を満たす基準と、それを「自発的に(強制的ではない)」認証する制度を設け、2005年の中ころまでには実行に移す予定だ。
この他に、新たな解決法を探るために基金を設立したり、世界の人々にPR活動をして問題提起をしたり、教育を与え子どもたちが生活に選択肢を得られるようにするプログラムも含まれている。
2005年となるとまだ先の話だ。
しかし、ちょうどこのテーマを扱っていたところ、バレンタイン・デー当日の14日、アメリカで有名なチョコレート店「シーズ・キャンディー」本社ビルの前で、子どもの奴隷を使ったココアを使わぬよう、NGO団体のグローバル・エクスチェンジがデモを行った。グローバルエクスチェンジは、先のスターバックスにフェアトレードコーヒーを買わせることに成功した団体。
ただの抗議デモではなく、同社に対して、販売するチョコの最低5%は、彼らが独自に認定した「奴隷無使用チョコ」を使うように要請した。
▼わたしたちにできること
現在ココアの価格は、過剰生産のため世界的に落ち込んでいる。1977年に1ポンド4.87ドルだったのが現在では51セントとおよそ10分の1。その中で利益を保つため、発展途上国のココア農園経営者は、子どもの奴隷を使ったり、大人でも極端に低い給料で雇わなければならないという苦しい現実にある。
ココア・チョコ会社は、低価格で仕入れ、それを経済の世界化の波に乗って大量に売りさばき、利益を上げている。子ども奴隷による低価格で得をしているともいえる。
逆に、もし彼らが本当に子ども奴隷を撲滅したいと思えば、その力を備えているともいえる。
たとえば、グローバル・エクスチェンジの「奴隷無使用チョコ」は、1ポンド80セントを保証している。チョコ会社が「奴隷無使用チョコ」を購入すれば、その分労働者の賃金と生活水準が向上することになる。もちろん消費者も協力する必要がある。
それでは、これからは「奴隷無使用チョコ」の表示のものを買いましょう!?
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To be continued...
◎References:
--A TASTE OF SLAVERY: How
your chocolate may be tainted
<<NightRider Washington
Review>>
http://www.prod.realcities.com/mld/krwashington/news/
special_packages/taste_of_slavery/
↑ココア農園の子ども奴隷に関してまとまった記事がある
--UK
joins fight against 'chocolate slavery'<<BBC NEWS>>
http://news.bbc.co.uk/hi/english/uk/newsid_1312000/
1312854.stm
↑その他チョコ奴隷関連記事へのリンクもある
--Global
Exchange - Cocoa campaign
http://www.globalexchange.org/cocoa/
↑グローバルエクスチェンジのサイト
--TransFair
USA
http://www.transfairusa.org/
↑「フェアトレード」を促進している団体
--Special
thanks to Mr. Miyakawa!
チョコレート産業はコートジボアールの子ども奴隷廃止のために立ち向かうと誓い、撲滅計画「ハーキン・エンゲル・プロトコル」に同意した。これであとはチョコ会社、小売店、消費者の私たちが奴隷無使用チョコを買えば、問題は解決するのだろうか?
多くの批評家は「ノー」という。
▼あいまいな基準
TansFair
USAのリナ・ルッティンガーさんはプロトコルは具体性にかけるという。最低賃金も労働環境についての基準も具体的には定義されていない。
また、プロトコルが「コートジボアールの子ども奴隷」にしか適用されないという批判もある。他の国の子どもたち、他の農業に対しては何の対策もない。つまり、このプロトコルは子どもの奴隷は禁じているものの、奴隷全体を禁止しているわけではない。
Save
the Children in Canadaのアニータ・シェスさんは:
「もし、子どもたちが奴隷から『解放』され本国に送還されたら、その後の収入はどうなるのでしょうか。認証制度が自主的なものだったら、どう効果的に導入していくのでしょうか。そのためにだれがお金を払うのでしょうか。ココアの価格は今後どう変わっていくのでしょうか。それにより、労働者はどう影響を受けるのでしょうか。これらの問いはだれもが考えつくようなものですが、だれも真剣に取り組んでいません」
▼ラベルシステムも万能ではない
もしラベルシステムが実現したとしても、それで奴隷がなくなる保証はない。
たとえば、以前でも扱ったが(『紛争ダイヤモンド』)、同じ西アフリカのシエラレオネのダイヤモンドはブラックマーケットを通り、国内のゲリラの資金源となっており、「紛争ダイヤモンド」と呼ばれる。このため、国連主導により、正規のマーケットを通った製品にラベルを付ける計画が始まった。
しかし、このラベル計画は世論受けは良かったものの、戦争自体は少しも止まっていない。
ラベルシステムはあくまでも応急処置。紛争や貧困の根源を断たなければ解決しないのではないだろうか。
▼原因は貿易の不均衡
西アフリカのほとんどの子どもたちは何かしらの農園で働いている。コートジボアールには隣りの最貧国マリから、子どもや若い成人が、収入を得、農業技術を体得し、稼いだお金を国もとの家族に持ち帰るために大勢やって来る。しかし、こうした状況は、ココアの価格が大幅に下がり、農園経営者が奴隷並みの低い給料で雇わなければならなくなった以前から存在していたことだ。
そもそもなぜ25年の間にココアの価格が十分の一にも下がったのだろうか。
コートジボアールのゲッサン首相によれば、「先進国のチョコレート会社が、途上国にココアをどんどん作らせ、ココアの価格を強制的に下げているから、末端の農園所有者は土地を守るために安い給料で労働者を雇わざるを得なくなる」という。
残念なことに、プロトコルは貿易不均衡是正については触れておらず、会合にはフェアトレードを推進するNGOはひとつも招かれなかったという。
ゲッセン首相は昨年5月、チョコレート会社に「もしココア農園での奴隷を本当に無くしたいと考えているなら、今の10倍の価格でココアを仕入れなければならない」と迫った。
★
問題はあるものの、これらの取り組みはいいスタート地点になると思う。ココア産業だけでなく、同じく奴隷を使っている他の産業へも警告となるだろう。
また、政府、産業、民間が協力するこのプロジェクトが成功すれば、奴隷をなくしたいと思いながら、どう始めたらよいのかわからないという政府にとって、いい前例となるかもしれない。
でも、あなたはアフリカの子どもを奴隷から救うため、10倍の値のチョコを買いますか?
チョコを買う買わないは、あまり関係ないと思う。それよりも、みんながまず、こうした奴隷チョコの存在を知ること。それがまず最初の一歩だと思います。
=おわり
この改行は必要→
バレンタインももうわずか。「チョコレートにはココアと砂糖と牛乳に『愛』 も入ってるんだよ★」なんて思っている人は、今回は読み飛ばした方がいいか
も^^;